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つわり(妊娠悪阻)の話 やくろう版

1).つわり(妊娠悪阻)の原因の話

① 妊娠初期;生命誕生のこと、、、

妊娠すると、たった1つの細胞だった受精卵は、
両親の遺伝子情報に基づいて、
10兆単位(人間の細胞の数です)まで、分裂します。
妊娠初期は、その1歩を踏み出した時期です。

  • 細胞は分裂を重ねるに従って、(続きは、ここをクリックしてください、) 
    • 細胞は分裂を重ねるに従って、遺伝子の情報を限定利用し、普通、
      個々の細胞は、ほんの1部だけを有効発現して、特化していきます。
      “何でもあり”の細胞から、毅然とした目的を持った機能細胞へと、分化します。
      ( がん細胞の悪性度は、この反対の方向でおこります。)

      進化の系統樹のままに、地球の生命の進化を、始めから、
      辿(たど)るとも、思えませんが、
      途中の、胎児のごく初期の段階では、ややこしいもの-
      例えば、“えら”や尻尾(しっぽ)のように、直ぐ退化して、
      無くなるようなものでも、
      一瞬間だけ、必要不可欠なのでしょう。
      そのためには、生後は、一生不用なものや、
      ほとんど二度と、体得しないような部品も必要でしょう。
      そして、それは、あなたの体に、馴染めず、つわりのような、
      一時の騒動を引き起こすのに充分かも知れません。

      つわりなんて、あって当然にも思えます。

② 妊娠初期;妊娠指令センター設置のこと、、、
―黄体;仮の妊娠指令センターです。―

やくろうは、ある意味、
妊娠中の母体は、新たにもう一つの、
間脳と、肝臓が、体内に出来た状態だと思っています。
この2つの機能をあわせ持った組織が、胎盤です。

  • 妊娠中の胎盤は、、、 (続きは、ここをクリックしてください、) 
    • 妊娠中の胎盤は、
      1) 上位中枢の働きをします。
      2)  優れた栄養で、胎児を育てます。
      胎盤は、間脳下部に似ています。
      血管に、富みながら、
      間脳上部に、脳~血管関門があるように、
      同様に、胎盤にも、胎盤~子宮内血管関門があって、
      関所では、余計な脂肪や、農薬、環境ホルモン、
      食品添加物などもえり分けて、
      きっと、吟味した栄養で、胎児を育てることでしょう。

      妊娠初期は、子宮と胎盤が安定するまで、
      卵子が出て行った後の、卵巣側の空き部屋(卵胞)には、
      妊娠黄体が、発達します。
      ここが、仮の、妊娠指令塔です。
      黄体は、妊娠中期まで、重要です。
      着床卵の存在をよりどころにして、
      黄体と、胎盤は、ホルモンをキャッチボールして、
      互いに、成長します。

      まず、黄体は、妊娠を、維持するために、
      性周期を直ちに、中止させねばなりません。
      そして、これからに備えて、
      受精卵が着床した、胎盤と、シェルターとなる子宮を育てる
      準備を要請します。

      こうして、
      卵巣側と、子宮側からの多量のホルモンは、あなたの、
      今までの生理反応に横やりを入れて、ついには、支配し、
      やがて、あなたの生理を、赤ちゃん中心へと誘導して行きます。

      ホルモン量の、ドカスカ状態が起こりがちです。
      ホルモンの大混乱期です。
      それは、とても喜ばしいことですが、
      精神面も含め、通常の生理でない、異常緊張事態に違いありません。

      感情の起伏が大きくなったり、つわりなんて、ちっちゃな事、
      当然でしょ?

③ 妊娠初期;赤ちゃん優先のこと、、、

、妊娠すると、ホルモンは、総量が増え、ピークのあと、高原状態で安定するのですが、
体内のホルモン比のようなものも、急変化します。
生命力の方向が、大きく舵を取られ、母体に与える影響も変化します。
体中に、受精卵を応援するように、
成長ホルモンや、それを受けて、体内細胞の感受性を高める、
甲状腺ホルモンといった、分裂や、細胞や組織を賦活する生命力が、優位になります。。

それらは、女性ホルモンには、違いないのですが、
働きとしては、男性ホルモン様の、、、と、言いますか、
つまり、体の中は、、
、、、、、、

  • やくろうは、血液型性格判断を、(続きは、ここをクリックしてください、)
    • やくろうは、血液型性格判断を、良く知りませんが、
      例えば、
      力を蓄え、自分を磨くことに長(た)けている、A型人間が、
      急に、持っている実力を、充分に発揮し得る、O型人間に、
      変身させるような変化です。

      こうして、あなたにお構いなしに、
      受精卵と、それを取り巻く環境は、活発な生命力に溢れた、
      ホルモン状態になります。

      それは、血流に乗って、あなたの細胞にも届き、
      呼応して、代謝が活発になります。
      体温が高くなったり、体質が、酸性側に、傾くかも知れません。
      子宮や、汗、だ液などの分泌も、多くなるでしょう。
      意図せず、思わぬ所に力が入ったり、
      空回り騒動を引き起こすでしょう。

      やはり、つわりなんて、、、
      そりゃあ、あって、当然でしょ?。

④ 妊娠初期;命(いのち)共存のこと、、、
-免疫寛容のおかげです。-

こうして、あなたの血流は、
雑多な部品や、強烈な生理指令が飛び交う、
大変化の、ごちゃごちゃの真っ只中です。
あなたは、脆弱(ぜいじゃく)で、不安定な混乱状態です。

こんな時、かぜも、感染症も困ります。外敵は、撲滅しましょう。
免疫システムには、念入りに見回り、
注意を怠らないよう要請します。

  • ところが、そこに、、、 (続きは、ここをクリックしてください、) 
    • ところが、そこに、最大の難問があります。
      見覚えがあるようで、ないような、、、
      ―異質な細胞群― 赤ちゃんへの攻撃です。
      正常妊娠なら、攻撃不可!!
      分身なのですから、“えら”や、“尻尾”の奇妙な細胞も、
      攻撃しちゃだめです。
      ここは、大目に見てもらわねば、、、

      他人には厳しく、自分や、身内には、優しく!、、、
      非常に、虫のいいお願いですが、必ず、
      守ってもらわねばなりません。
      でも、ひょっとしたら、これは、案外、
      人類共通に、得意なことかも知れません。

      ともあれ、命令厳守。必要なら、リンパ球には、
      教習所(胸腺;きょうせん)で、昔、
      習ったことを復習してもらいましょう。

      この悪意の無い、矛盾に満ちた厳命に、防御機構は混乱して、
      タガが緩み、全身の規律が動揺するかも知れません。

      あちこちで、必要以上の、
      ボヤ騒ぎを起こすかも知れません。
      筋腫細胞や、一時の膿腫を作ったり、
      張り切りすぎた子宮や、卵胞側の、一寸した出血などです。

      これらは、あなたを、一層不安に陥らせるでしょう。

      混乱して、華やいだ幸福の時間も、
      静かな大変調信号が中枢に返され、
      落ち着いて食事なんかしている場合じゃない、と、
      判断してしまうかも知れません。
      、、、、

      ね、やはり、“つわり”しちゃうでしょ?

2).つわり(妊娠悪阻)の原因の話、その2.

⑤ 妊娠初期;未知との遭遇のこと、、、

人は、大きな変化があっても、たとえ、それが悪い方向でも、
平衡状態で安定しさえすれば、ある程度は、慣れるものです。
まして、2度目、3度目となると、たいていの反応は、
穏やかになります。
反(かえ)って、油断の方が問題でしょう。
逆に、ささやかな変化に過ぎなくても、
兆候を感じて、発見した時や、
変化が泥沼状態で、行き着く先の見えない時こそ、
パニックに陥るものでしょう。
それが、妊娠初期です。
何度目であろうとも、未知との遭遇でしょう。

  • でも、本当は、、、、 (続きは、ここをクリックしてください、) 
    • でも、本当は、
      妊娠初期-普通、あなたが、“おめでた”に気づかれた時には、
      大変化は、もう、ピークを迎えつつあるのです。
      大変化は、舵を取る時が頂点です。
      そして、もう、舵はとっくに、取られているのです。

      人間の卵細胞は、初期器官形成の栄養素である卵黄を、
      持っていませんので、着床した子宮胎盤部分に、
      まるで、必要物をバッグに詰めて、先送りしておいたように、
      卵黄層が発達します。
      やがて、この層は、巨大な水槽(すいそう)壁となって、
      赤ちゃんは、プールで守られ、
      呼吸や排泄(はいせつ)の練習装置が出来ます。
      始め、卵子は、この卵黄囊(らんおうのう)から染み出した栄養で、
      成長を続けます。

      受精後4週余りは、きっと、赤ちゃんの心臓や肝臓など、
      主な原始器官も作られ、血管網が出来て、
      あなたと、へその緒で、結ばれている頃でしょう。
      そうなれば、もう、人間へ一直線。ほとんど、あなたと一緒です。
      つわりなんて、うそのように治まるハズです。

      しかし、栄養や老廃物は、話が別です。
      血液の情報は共有しても、
      赤血球と、付随情報だけは、交流させない、という、
      巧妙な “へその緒” の、血管も、仕組みも、特注品です。
      (さもなくば、血液型不適格混合になっちゃいます。)

      妊娠初期の今が、赤ちゃんや、初期卵黄嚢からの、
      ややこしい老廃物の後処理の時です。
      恐らく、これらが、あなたの肝臓に行き着くまで、
      血流に乗ることが、つわりの第一原因でしょう。

      途中で、組織との、過大な反応を呼び起こしたり、
      侵入者の毒物に違いない、と、大騒ぎされるかも知れません。

      ひょっとしたら、このことが、
      ''女性の性周期、月経が内部吸収では終わらず、
      体外排出となる大きな理由ではないか??、''と、すら思えます


⑥ 妊娠初期;あなたの体調は、病気の時と同じです、のこと、、、

つわり(妊娠悪阻)とは、妊娠初期特有の、吐き気です。
実は、つわりの原因は、良くわかっていません。
この項も、やくろうは、こう思います、というに過ぎません。
、、、、、、、

人は、マラソンしながら、風邪を治そうとは思いません。
食欲盛々(もりもり)の、痛みや内臓炎症も、、、余り聞きません。

体は、重い病気になると、自律神経の制御を超えた緊張状態になり、
何を置いても、防御、修復なり、目の前の病気に、
対処しようとするものです。
その時は、対病気が優先で、体のリズムも、影響されます。
生命力を、自律神経系に割かれる食事など、
落ち着いて、している場合じゃない訳です。

  • 妊娠初期の、、、、、 (続きは、ここをクリックしてください、)
    • 妊娠初期の、
       **ホルモン大変動と、
       **防御システム警戒状態と、
       **怪しげなものの存在は、全身に、充分、
      重い病気のときがそうであった様に、
      腦中枢が発令した、(病気)厳戒態勢を、予感させるものでしょう。

      こんな時は、普段の自律神経は、押さえ込まれ、
      まず、平常時のリズム-消化機能-
      の不調となって現れ易いものなのでしょう。

      あなたは、晴れやかな気持ちで、意欲に燃え、
      食欲は、ともすれば、旺盛なくらいです。
      しかし、脳中枢や体は、事件発生と勘違いして、
      のんきに、何を考えているのだと、あなたを咎(とが)めます。
      平時の営み=食欲に、ブレーキをかけます。
      何もする必要がないのに、他にする事があるだろう、と、
      難癖をつけます。

      吐き気がおこり、何もかもいやになりそうです。
      とても、落ち着いて、食事をしている場合じゃありません
      しかも、この病気状態は、1週間では、済まないのです。
      疑心暗鬼になって、胃腸は、ますます、不調になることでしょう。

      こうして、つわりに悩まされるのでしょう。

       体の中は、ある意味、病気厳戒態勢も同然の大騒ぎです。
      でも、脳中枢には、何処からも、
      発痛、発熱、炎症指令や、防衛隊などの、追加の要請がありません。
      、、、、

      (調子の良い時に、口にできるものを、探しましょう。)
      、、、、

      何処にも、炎症はないのです。
      不審な侵入者もいなければ、組織と侵入者の葛藤もありません。
      事件は見当たらないのです。

      病気状態があって、病気らしい症状が無い、
      病気の付随症状 (吐き気)があって、病気が無い???
      、、、、、、、

      考えてもみてください。
      騒動の原因は、たかだか何ミリに過ぎません。
      受精後8週(月齢3ヶ月2週)でも、たったの2~3cmです。
      こんな微細なものに、健康状態が脅(おびや)かされずとも、
      良いのです。
      だから、
      ほとんど、つわりに苦労しない、幸運な妊婦さんも居られます。
      個人差が、非常に大きいのです。

      いい人だけを見て、(妊娠やつわりは、)病気じゃない、と、
      言い張るには、少々、ムリがあるでしょう。
      平穏に、流れに身を任せられる人の方が、ラッキーなのです。

      つわりは、精神力で何とかなるものでもなければ、
      感情や氣力で押さえ込める部分も、小さいでしょう。
      病状の分け方が間違っています。
      つわりは、ほとんど、精神力や感情では、不可抗力の、
      ①~④に対する感受性の、“運、不運、”とでもしか思えません。

      やくろうは、母乳の応援漢方は、自負しますが、
      出産前に、
      肝心の、あなたの母乳が、豊富かどうかは、ほとんど、当たりません。
      つわりも、同じです。
      妊娠前に、
      あなたが、つわりに苦しむ人になるのかどうかは、
      ???、、あまり、分かりません。
      つわり自体は、めぐり合わせ、に思えます。残念ながら、、、。

      赤ちゃんに必要な栄養は、既に、余裕と、蓄えがあります。
      (後述します。)
      栄養は、
       **大量に必要とするもの、
       **少量だけれど、欠くべからざるもの、
       **快適な妊娠維持のため、少量だけれど、その時は、選んでも食べて欲しいもの、、
      の、区別が重要でしょう。

      赤ちゃんは、まだまだ、一桁センチメートルの生命です。
      赤ちゃんに必要な量は、ちょっぴりです。
      あなたが健康なら、今は、量、質とも、申し分ありません。

      今は、あなたの健康=妊娠維持のための体力が、先決です。
      だから、この時期、まず、最低、必要なのは、
      お母さんの体重が維持できる水分と、カロリーだけでしょう。
      口にできるものを、早く見つけましょう。
      その時は、
      過去の、好き嫌いの、思い込みに捕らわれないように。
      ご自分でも驚くようなものも、あり得ますから、、、。

      あと少しの頑張りです。

      男には不可能な、赤ちゃんとの会話を楽しみに、
      やり過ごしましょう。

⑦ 妊娠前期;不安の中、、、のこと、、、

つわり(妊娠悪阻)とは、妊娠初期特有の、吐き気です。
これだけなら、普通、間もなく、ウソのように、治(おさ)まるものでしょう。
しかし、つわりが高じて、水分すら取れない、
妊娠悪阻(おそ;つわり)状態が続くと、危険です。

脱水症状は、熱中症と似ていますが、つわりの脱水症は、ゆるやかです。
熱中症脱水症と異なり、1~2月もかけて、しかも、栄養失調を伴って、ゆっくりと起こります。
日々の悪化が、徐々なため、気付くのが、遅れがちです。

つわりのひどい症状がつづいて、
 * 食事だけならともかく、水分も吐いて、何日も飲めない時、
 * 体重が3%も、減った時、
 * 小便が何日も、異常に少ない時、
 * 皮膚がカサつき、顔色がくすんで見える時。
これらが重なると、危険な兆候です。
すぐ、産科の先生の診察を受けましょう。

数日以上、水を飲めない状態は、決して、我慢してはダメでしょう。
早めに、診察を、、、ね。

こんな時、
"お手軽 つわりへいちゃらドリンク" は、きっと、少しは、お役に立つでしょう。

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Yakurou.memo.

つわりのお役立ち漢方薬

 *生姜と乾姜の話; 生姜:起動作用、乾姜:補熱作用、

① 桂枝湯;お体のホルモン類など再調整の漢方薬です。

② 小半夏加茯苓湯;一般的です。
③ 乾姜人参半夏丸;長引く方。食欲不振、食思不振の時。胃炎、胃酸過多の時は、慎重に。

申し訳ございません。しばらくお待ちください。思案中です。
たいした頭もないのですが、、、